「板粕」と「練り粕」の 違い
- 2019/07/25
- 00:00
一般的に酒粕は、 「板粕」 と 「練り粕」 に大別できます。
実は 両者の間に製法上の違いはありません。
お酒の造り方を 超ざっくり説明しますと、
まず、米、麹、水、それに酵母菌をタンクに仕込み「モロミ」を造ります。
モロミの中で お米は溶けて緩いペースト状になり、約1ケ月間 醗酵させます。
これを適当なタイミングで搾りにかけて「固液分離」します。
搾った液体がお酒 で 搾られた個体が酒粕 となります。
この時点で酒粕は 板状であり、一般的に売られている板粕が まさにこれです。粕汁、甘酒などにすると美味しいですよね。
そして、この板粕を「熟成」させたものが練り粕です。空のタンクなどに少しずつ板粕を入れ、長靴(←もちろん この作業専用の衛生的なもの)を履いた蔵人が 体重を掛けて踏み込んでいきます。これは 板状の粕を 砕いてほぐすためで、空気を含まないように みっちり踏み込んでゆくことが良い熟成をさせるためのキモとなります。こうして数カ月~数年、熟成させた粕が「練り粕」であり、別名「踏み込み粕」とも呼ばれます。野菜を漬けるなどに用いられるのが この粕です。
つまり両者に製法上の違いは無く、出来上がり後の経過が違うだけなのです。
「板状のが板粕で、練ってあるのが練り粕」と、簡単に覚えて頂いて良いかと思います。
ここまで述べてきたのは「酒蔵一般論」でした。
ここから先は「琵琶の長寿ならでは論」をお話しします。
先述の通り 搾りとは固液分離の事で、モロミを布で濾すことで行われますが、
これには②通りの方法があります。①つ目は 機械搾り 、②つ目は手搾りです。
最近では これ以外に遠心分離上槽と呼ばれる特殊な方法がありますが、ここでは言及しません。
機械搾りの特徴は、搾り効率が良く しっかりお酒を搾れるので お酒の収得量が多くなります。粕にはお酒がほとんど残らず 板状の硬い粕になります。
一方 手搾りはその逆で、搾り効率は悪いのですが、逆に言えば「出枯らし」まで搾り取らないのでお酒の味が良くなります。酒粕には もうひと搾り出来るくらいに お酒が残るので 軟らかくて崩れやすく 見た目こそ悪いのですが、ジューシーで味わい深く、ホントに美味しい粕になります。この点をご好評いただき 実はビワチョウの酒粕は、お酒よりも良く売れています(ひひひ苦笑)。
弊社では手搾りの特徴を好み、すべてのお酒を完全手搾りしております。
手搾り動画は → こちら
粕剥がし動画は → こちら
軟らか酒粕動画は → こちら
ゆえに、弊社の粕は 搾って間もない板粕でさえも、練り粕と見間違うほどに軟らかく、お客様によっては「おたく、練り粕しかないの?」と訊かれてしまうくらいです。
更に弊社は「お酒の味の99%は麹で決まる」と考えており、仕込みの段階で非常に造り込んだ 「酵素力価の高い麹」を使います。この結果、酒粕になってからも酵素は働き続け、お米が溶けて熟成が進み過ぎる過熟傾向があり、ともすれば おたまで掬わなければならない程にまで液化することがあります。この過熟傾向を抑える目的で 酒粕は 敢えて踏み込み工程を経ず 、 氷点下で貯蔵しています。このため 酒粕の 着色は抑えられ 茶色っぽくならず、白いままです。
こういった事から 弊社では、板粕 と 練り粕の区別が あまり明確ではありません。搾りから間も無く まだ新酒の香り華やかな粕を板粕と、また 搾りから時間が経ち熟成が進んだ粕を練り粕と位置付けています。
実は 両者の間に製法上の違いはありません。
お酒の造り方を 超ざっくり説明しますと、
まず、米、麹、水、それに酵母菌をタンクに仕込み「モロミ」を造ります。
モロミの中で お米は溶けて緩いペースト状になり、約1ケ月間 醗酵させます。
これを適当なタイミングで搾りにかけて「固液分離」します。
搾った液体がお酒 で 搾られた個体が酒粕 となります。
この時点で酒粕は 板状であり、一般的に売られている板粕が まさにこれです。粕汁、甘酒などにすると美味しいですよね。
そして、この板粕を「熟成」させたものが練り粕です。空のタンクなどに少しずつ板粕を入れ、長靴(←もちろん この作業専用の衛生的なもの)を履いた蔵人が 体重を掛けて踏み込んでいきます。これは 板状の粕を 砕いてほぐすためで、空気を含まないように みっちり踏み込んでゆくことが良い熟成をさせるためのキモとなります。こうして数カ月~数年、熟成させた粕が「練り粕」であり、別名「踏み込み粕」とも呼ばれます。野菜を漬けるなどに用いられるのが この粕です。
つまり両者に製法上の違いは無く、出来上がり後の経過が違うだけなのです。
「板状のが板粕で、練ってあるのが練り粕」と、簡単に覚えて頂いて良いかと思います。
ここまで述べてきたのは「酒蔵一般論」でした。
ここから先は「琵琶の長寿ならでは論」をお話しします。
先述の通り 搾りとは固液分離の事で、モロミを布で濾すことで行われますが、
これには②通りの方法があります。①つ目は 機械搾り 、②つ目は手搾りです。
最近では これ以外に遠心分離上槽と呼ばれる特殊な方法がありますが、ここでは言及しません。
機械搾りの特徴は、搾り効率が良く しっかりお酒を搾れるので お酒の収得量が多くなります。粕にはお酒がほとんど残らず 板状の硬い粕になります。
一方 手搾りはその逆で、搾り効率は悪いのですが、逆に言えば「出枯らし」まで搾り取らないのでお酒の味が良くなります。酒粕には もうひと搾り出来るくらいに お酒が残るので 軟らかくて崩れやすく 見た目こそ悪いのですが、ジューシーで味わい深く、ホントに美味しい粕になります。この点をご好評いただき 実はビワチョウの酒粕は、お酒よりも良く売れています(ひひひ苦笑)。
弊社では手搾りの特徴を好み、すべてのお酒を完全手搾りしております。
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ゆえに、弊社の粕は 搾って間もない板粕でさえも、練り粕と見間違うほどに軟らかく、お客様によっては「おたく、練り粕しかないの?」と訊かれてしまうくらいです。
更に弊社は「お酒の味の99%は麹で決まる」と考えており、仕込みの段階で非常に造り込んだ 「酵素力価の高い麹」を使います。この結果、酒粕になってからも酵素は働き続け、お米が溶けて熟成が進み過ぎる過熟傾向があり、ともすれば おたまで掬わなければならない程にまで液化することがあります。この過熟傾向を抑える目的で 酒粕は 敢えて踏み込み工程を経ず 、 氷点下で貯蔵しています。このため 酒粕の 着色は抑えられ 茶色っぽくならず、白いままです。
こういった事から 弊社では、板粕 と 練り粕の区別が あまり明確ではありません。搾りから間も無く まだ新酒の香り華やかな粕を板粕と、また 搾りから時間が経ち熟成が進んだ粕を練り粕と位置付けています。
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